ドイツ
ドイツは北半球においてのブドウ栽培の北限とされ、主要生産地は北緯47度~52度に位置しています。 13ある生産地は全て川沿いに分布しており、旧西ドイツの生産地はライン川とその支流沿いに、旧東ドイツの生産地はエルベ川沿いに広がっています。 これまではブドウ栽培北限ということもあり、ブドウの完熟が難しく、それによって出来上がった酸味の強いワインに対してバランスを取る為に糖分を加えた半甘口のワイン産地のイメージがあったドイツですが、近年は気候変動によりブドウは完熟し、ほとんどが辛口ワインの生産へと移り変わっています。 雨量が比較的多くいため水捌けが良いことが重要な要因であることから川沿いの標高の高い急斜面に多くの銘醸畑が点在しています。 栽培面積の68%が白ブドウ、32%が黒ブドウであり白ブドウはリースリング、ミュラートゥルガウ、グラウブルグンダー(ピノグリ)、ヴァイスブルグンダー(ピノブラン)、黒ブドウではシュペートブルグンダー(ピノノワール)、ドルンフェルダー、ポルトギーザ―などの品種が多く植えられています。 また、近年ではPIWI品種と呼ばれるカビ菌に対して耐性のある品種が注目され植え付けを試みる生産者が増えてきました。 またドイツは世界最大のビオディナミの畑の採用率が高い国としても知られています。 これまでのドイツワインは収穫時の果汁糖度に応じて格付けがなされてきたのに対し、近年では原産地保護や畑に対しての格付けなど新しいワイン法の施工が国内で徐々に進んでいます。 かつてはブドウ栽培の北限とされていましたが、今現在では最も気候変動の影響がポジティブに働いている産地のひとつなのではないでしょうか。