オセアニア&アフリカ
オセアニアとアフリカは、ワイン生産の歴史において比較的新しい地域です。アフリカ大陸では、紀元前3000年ごろにエジプトでワイン造りが始まったものの、現代で世界的に有名なワイン生産国は南アフリカです。南アフリカでのワイン造りは、1659年にケープ植民地の初代総督ヤン・ファン・リーベックによって始まりました。1685年のナントの勅令廃止により、フランスから多くの移住者が南アフリカに渡り、ロワール地方のブドウ品種が伝えられました。特にシュナン・ブランは最も多く栽培されており、その他にもソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、コロンバール、ピノタージュ、カベルネ・ソーヴィニヨン、シラーなどの品種が人気です。南アフリカは地中海性気候の影響を受けており、安定したブドウの成熟度が期待でき、環境保全にも積極的に取り組んでいます。その結果、ワインはピュアでクリーン、透明感のある味わいが特徴です。オセアニアのワイン産地としては、オーストラリアとニュージーランドがあります。オーストラリアは、イギリス人によってワイン造りが伝えられ、南部の沿岸地帯が主な産地となっています。地中海性気候に似た気候が広がり、特にタスマニア島は冷涼気候として近年注目されています。主要なブドウ品種はシラーズ、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨンで、自然派ワインの生産も増加しています。オーストラリアのワイナリーは、ヨーロッパ的な「オールドワールド」スタイルと、アメリカ的な「ニューワールド」スタイルを融合した造り方が特徴的です。また、ワインツーリズムも発展しており、大手企業による買収と合併が進んだことで、産業が大きく発展しました。ニュージーランドは、1980年代から注目を集めている新興のワイン産地で、特にソーヴィニヨン・ブランとピノ・ノワールが注目されています。ニュージーランドのワイン産地は、北島と南島に分かれており、亜熱帯気候から半大陸性気候まで多様な気候が広がっていますが、すべての産地が海に近いことが共通しています。昼夜の寒暖差が大きく、ブドウはゆっくりと成熟し、力強さと品種の特徴がしっかりと表れたワインが多いです。ソーヴィニヨン・ブランはフランスに次ぐ世界的な産地と認知され、ピノ・ノワールも南半球を代表する品種として広く認められています。ニュージーランドのワイナリーでは、スクリューキャップが多く採用されている点も特徴です。