イタリア
イタリアはフランス、スペインと共に全世界のワインの3割近くを生産する巨大なワイン産地です。
20ある全ての州でワイン造りが行われ、それぞれの州で食文化も大きく異なる事から生産されるワインのスタイルも非常に多種多様となっています。
総面積は30.1万km2で日本の8割程度の国土に約6000万人が暮らしています。
イタリアの気候は、暖流である北大西洋海流の影響で温暖で、南部は典型的な地中海性気候です。
大きく分類すると北部、中部、南部の3つに分けられます。
北部はアルプス山脈の影響を受けるエリアであり、ヴァッレダオスタ州、ピエモンテ州、リグーリア州、ロンバルディア州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州、ヴェネト州、フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州、エミリア・ロマーニャ州が含まれます。
山脈の影響を受けるため、食材は保存性の高いものや油脂は乳製品を多く使うようなイメージです。
中部はアドリア海とティレニア海のふたつの海に挟まれており、オリーブの栽培がなされるのもこの中部より南となります。
トスカーナ州、ウンブリア州、マルケ州、ラツィオ州、アブルッツォ州、モリーゼ州が含まれます。
南部は典型的な地中海性気候であり雨季は春と秋に集中するためブドウの生育期は乾燥しており、凝縮感のあるブドウを育てることができます。
日射量の恩恵を受けるためにトマトの栽培なども多く、我々日本人がイメージするイタリア料理のほとんどは南部イタリアの料理であると言えるでしょう。
南部に位置する州としてはカンパーニア州、プーリア州、バジリカータ州、カラブリア州、シチリア州、サルディーニャ州が挙げられます。
ブドウ品種の栽培面積ではサンジョベーゼが最も多く(黒/67,634ha)、続いてプロセッコの原料となるグレーラ(白/38,892ha)が続き、ピノ・グリージョ(白/32,335ha)、モンテプルチアーノ(黒/30,829ha)、トレッビアーノ・トスカーノ(白/30,006ha)、国際品種のメルロ(黒/24,209ha)やシャルドネ(白/23,635ha)、土着品種のバルベラ(黒/19,814ha)、ネロ・ダヴォラ(黒/16,456)、トレッビアーノ・ロマニョーロ(白/15,725ha)が栽培上位10種となっています。
1963年にはイタリア政府が初めて原産地呼称法を導入し、現在は「D.O.P.」「I.G.P.」「ヴィーノ(テーブルワイン)」の3カテゴリに分類されています。
20ある州全てに土着品種があり、国際品種と土着品種との使い分けもイタリアならではです。
ポイントとしては銘柄とブドウ品種をセットで覚えていく事でよりイタリアワインの魅力に迫れるのではと思います。