チリ&アルゼンチン
チリやアルゼンチンなどのアメリカ大陸にはワイン用のブドウは存在せず、コロンブスのアメリカ大陸発見によりキリスト教布教のための宣教師がヨーロッパより持ち込んだ事がルーツとされています。
チリでは1548年に、アルゼンチンでは1551年に初めてブドウが植えられそれ以来多くのヨーロッパ品種がもたれされました。両国ともに日射量の豊かさの恩恵があり熟度の高いブドウを育てることが可能となります。
また近年の世界的な気候変動の中で、チリやアルゼンチンのような標高の高いブドウ畑はますます注目を浴びてゆくことが間違いないでしょう。2023年の世界のワイン生産量ではチリが5位、アルゼンチンが9位と比較的歴史が浅いにも関わらずトップ10内をキープし続けており、南米では最も認知度及び将来性のあるワイン生産国として知られています。
チリではカベルネ・ソーヴィニョン、ソーヴィニヨン・ブラン、メルローやシャルドネ、ボルドー品種である黒ブドウのカルメネールが広く栽培され、アルゼンチンではフランス南西地方の黒ブドウであるマルベックが国を代表するブドウ品種として認知され、セレサ、ボナルダ、クリオジャ・グランデなどスペインやイタリアから伝わったブドウ品種も多く植えられています。
特徴としては豊富な日射量によって糖度がしっかり高まったブドウより造られる果実味、アルコール度数ともに豊かな味わいが特徴ですが、近年では標高の高い畑でより高い熟度と酸度を蓄えたブドウから作るプレミアムレンジのワインも世界的に注目を浴びています。
フランスをはじめとしたヨーロッパ品種が多く栽培されているチリとアルゼンチンですが、そのお国柄の如く「陽気な」味わいはまたほかの国とは異なるキャラクターでもあり個性でもあると言えるでしょう。