メドック地区

フランスのワイン産地の中の銘醸地として真っ先に挙げられるのがボルドー地方ではないでしょうか。
フランス南西部に位置し、大西洋に面したボルドーはイギリスとの交易にて繁栄を迎えフランスを代表するワインとしての名声を得ました。
ワイン産地のなかでも比較的アクセスの良い都市でもあり、パリからは高速鉄道で2時間弱、空路での移動も可能です。
ボルドー市の人口は約25万人と大阪市とほぼ同じということから、フランス屈指のワイン銘醸地としても純粋に観光するにしても非常に便利で魅力的な都市であると言えます。
気候は北緯45度と北海道と同じ緯度にありながらメキシコ湾流の影響で穏やかな海洋性気候となります。
そのため年間日照時間も2000時間と長いことから、長い時間をかけて成熟してゆくブドウ品種が多く栽培されています。
ワイン生産比率は赤84.3%、白11.2%、ロゼ4.5%と圧倒的に赤ワインの生産量が多くブドウ品種は黒ブドウはカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、カベルネ・フラン、マルベック、カルムネール、プティ・ヴェルドが認められ白ブドウはソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ミュスカデル、ソーヴィニヨン・グリが認められています。
ドルトーニュ河とガロンヌ河という2つの河が合流しジロンド河と呼ばれる大河川となり、それらの河が運んできた堆積物がテロワールを左右します。
ボルドー市の北に位置し、ジロンド河の左岸を南北に延びるメドックと呼ばれる地区が最良のエリアと呼ばれ、1855年のパリ万博の際にはこのメドック地区のワインに1級から5級に分類され61のシャトー(醸造所)に格付けがされました。
オー・メドック内にはサンテステフ、ポイヤック、サンジュリアン、
マルゴー、ムーリス、リストラックの6つの村名AOCがあります。
土壌構成としてはジロンド河沿いほど堆積物である砂利が目立ち、内陸に行くと粘土の割合が増えます。
砂利はカベルネ・ソーヴィニョンを完熟させるために非常に重要な土壌で
川沿いのシャトーはカベルネ・ソーヴィニョンの作付け比率が高くなる傾向となります。
ヴィンテージ毎のヴァリエーションやブレンド比率の違いなどを知る事が
ボルドーワインをより楽しむヒントになると思います。