
ワインの世界地図~新世界と旧世界~

今日では、世界の様々な国々でワインが作られています。
ワインに携わる業界にいる我々ですら新興産地の情報のアップデートに日々
追われているので、ワインを学び始めた方々には更に情報過多で大変かと思います。
そこで、まずはざっくりと世界のワインを大きく2つに分類して
それぞれの特徴を覚えたうえで細かく探っていこうかと思います。
初回のテーマは「新世界と旧世界」です。
ワイン造りの歴史
ワイン造りの歴史は古く、紀元前6000年には東欧のジョージアにて
最初のワインが造られていたとされるのが有力な説です。
その後は紀元前3000年あたりにギリシャからヨーロッパ各地に伝来し、
ワイン大国のひとつであるフランスには紀元前600年あたりにワイン造りが
伝わりました。
ここまでの時代にワイン造りを行っていた国々を「旧世界」と呼びます。
大航海時代
そして15世紀半ばから17世紀半ばまでヨーロッパ人によってアメリカ・アジア・アメリカ大陸への大規模な航海が行われたいわゆる大航海時代。
この時代にワイン造りが広められた南北アメリカ大陸や南半球の産地のことを「新世界」と呼びます。
一応我が国では1874年にワイン造りが始まったので分類でいうと新世界にあたるのですが日本人からすると別枠になっているような気がします。
新世界と旧世界のワインの違い
旧世界のワインは歴史が古い分、食事と共に楽しむために比較的味わいの落ち着いたものが多い印象です。そして栽培方法やブドウ品種なども伝統的な習慣やラベル表記などを今でも継続している部分が多く、ラベルを見れば味わいのイメージが付きやすいものが多くあるのが個人的な見解です。
一方で新世界のワインは歴史が浅いという部分を逆手に取り、新しい技術を取り入れたり自由な発想でブドウ品種を植えたりするなどチャレンジ精神が多い印象を受けます。
その証拠に旧世界の大規模なワイナリーのいくつかは新世界に進出して斬新なチャレンジをしているワインメーカーもあります。
味わいは日射量の恩恵を受けたおおらかな味わいのものが多いように感じられます。
旧世界はシリアス、新世界は陽気で人懐っこいといったところでしょうか。
まとめ

勿論今では新世界でも早めにブドウを摘んで酸味を残したりアルコール度数を低く取って軽やかなスタイルにする生産者もいるので一概に分類することはできません。
ですが大まかな国々の分類をしてゆくことである程度の印象付けができるのではないでしょうか?
そしてそのうえで各国産地の気候や栽培品種、土壌などを把握してゆくことにより
更に深く理解が深まってゆくことでしょう。
次回以降のこの「ワインの世界地図」のコーナーでは各国のおおまかな特徴や産地、
スタイルなどを簡潔に理解できるように紹介してゆきたいと思っています。
みなさまがお気に入りの1本を見つけられるように精一杯お手伝いできればと思います。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。
Sommelier’s Note
記事作成者
朝倉達也について

A.S.I.(国際ソムリエ協会) 認定ソムリエ / J.S.A.(日本ソムリエ協会) 認定ソムリエ・エクセレンス / Court of Master Sommeliers 認定ソムリエ / Napa Valley Wine Japan Expert / WSET Level 3 / 2022年、ソムリエの新しい働き方を広げてゆくべく独立、株式会社La Luneを設立。関西中心にフリーランスとして活動を開始。従来の概念にとらわれずもっと自由な料理とワインのペアリングをみなさまに楽しんで頂くために、独自のメソッドや方法論を日々試行錯誤している。